叱らないのは教育か、甘やかしか。
叱らない育児は善か悪か。
色々考えながら子育てをしてきた中で、私なりにこの「叱らない育児」に思うことがあるのでまとめてみることにしました。
叱らない育児とは?私と「叱らない育児」の出会いのきっかけ
私、最初は叱らない育児の超実践者でした。
きっかけは、親子教室「ベビーパーク」の体験に参加したこと。
うちの娘を幼児教室の七田式に通わせるより先に、ベビーパークという親子教室のことを知って、体験レッスンに3回ほど参加したんです。
ベビーパークって、「叱らない育児でIQを伸ばす」を宣伝文句として、親子教室を全国展開していますよね。
その時は娘もまだ生後7ヶ月で、私も目の前の育児に必死だったし、子どもの育て方的な教室に参加したことがなかたので、ベビーパークで教わった「叱らない育児」がとっても素晴らしいものに見えて、忠実に実践するようになったのです。
ベビーパークで習った「叱らない育児」の詳細はこんな感じです。
・ママが色々叱っても、3歳までは海馬の発達が未熟だから覚えられない。
・叱られて「悲しい」という事実は分かっても、なんで叱られたのかは覚えられない。
・だから3歳までは、その子の興味がどんどんわくように「叱らない育児」をして、その子の可能性を伸ばしましょう!
・叱らなくていい環境を、親のあなたが整えましょう!
”そっかー。脳の作り的に言われてもわからないんだったら、確かに叱らない方がいいのかも。
その子の興味関心をとことん追求して伸ばさせてあげたいし、「叱らない育児」頑張ってやってみよう!
何よりそれでIQが伸びるんだったらすっごくいいじゃん!”
そんな感じで「叱らない育児」を実践し始めました。
ちなみに、叱らない育児で有名なのは、ベビーパークよりも尾木ママかも?
TVでもあの尾木ママスマイルで、「子どもを叱らない方がいいわよ」と言っていますよね!
こんな本も出されてますしね!
尾木ママの他にも、叱らない子育てについての本は多数出ているので、それだけ「叱らない育児」という言葉が世間に浸透しているんだな~と感じます。
1歳過ぎくらいから、「叱らない育児」に疑問を持ち始めた
成長してくるにつれて、娘も出来ることが増えてきていたずらしたり、間違ったこともするようになってきました。
最初は、その度に娘のもとにかけよって、
「こういうことしたらダメだよ。こういうときは、こうやってするんだよ」
と優しく語り掛けるように諭していました。
でも何だか伝わっていないような。
私が一生懸命言っても笑ったりしてるし、どこか他のことに目線がいってるし。
「アタチ、いまママになんかいわれたけどよくワカンナイ!」
という表情です。
そして、歩けるようになって世界が広がってくると、公園や児童館で遊ぶなど「家の中よりも外にいる時間のほうが多い」生活になってきます。
そうなると、「叱らなくてもいいように環境を整えてあげる」ことにも限界が出てきます。
むしろ、「ここは叱るべきでしょ!」という場面も多くなってきます。
例えば公園の滑り台で。
子どもって、滑り台を下からのぼりたがりませんか?
うちの娘はいつも滑り台を下からのぼりたがって、途中で座って居座っちゃうので、滑りたい子が上にいると、邪魔だし危ない。
最初は、
「ほら、どいてあげてね~。お友達が滑ってくるから危ないよ~」
と諭すのですが、全く伝わってない。
今度は強めの口調で、
「お友達が滑ってくるから降りてね!滑り台は、下からのぼらないんだよ!」
と言うと、
「ア、アタチなにかダメなことしてるんだ」と伝わるみたいで、「ふえ~ん。」と泣きました。
そして滑り台から降ろしたら、「良く出来たね~!」と褒めてあげてギューッとして。
これを何度か繰り返すと、もう滑り台を下からのぼらなくなりました。
他にも、ショッピングモールの赤ちゃん広場で娘を遊ばせていたときのこと。
お友達が、おもちゃを2つを持ち込んで遊んでいました。
赤ちゃん広場って、みんなあまりおもちゃを持ち込んで遊んでいないので、娘からするとそのおもちゃが相当素敵なものに見えたのでしょう。
おもちゃを1つ、お友達の手から無理矢理取り上げてしまいました。
「返してー!」と、娘が手に取ってしまったおもちゃをお友達が取り返そうとしたところ、
娘がその子の手を噛んでしまいました。
それまでも、何かうまくいかないときに、家の中で物を噛む癖があったのですが、
まさか、お友達の手を噛んでしまうとは!
私は慌てて
「ダメ!!!噛まない!そういうことしたらお友達が痛いでしょ!傷つけることしたらダメッ!」
結構な大声で、迫力持って娘を叱りました。
お友達は痛さで泣き、娘は怒られたことが悲しくて泣き、
私は大声出したことでママさんたちからの強い視線を感じながらも引き続き叱って、噛むことはダメなことだとひたすら言い聞かせました。
幸い?そのお友達はおじいちゃんと遊びに来ており、
「2つもおもちゃを持って入るからダメなんだよ。もしおもちゃを持ってここで遊ぶなら、1つはお友達にも貸してあげなさい」
と子どもを叱ってくれたので、私は訴えられずに済んだのですが、本当に冷や汗ものでした。
でも、それから娘は噛み癖がなくなりました。
”3歳までは海馬が未発達だからわからない?
・・・いやいや!バッチリちゃんと伝わってるから!”
と感じたので、叱らない育児は辞めました。
「叱る」って、意外と難しい。
1歳にもなれば、褒められたことも、叱られたことも、そしてどうして叱られたのかも、ちゃんと伝わってる。
そして、ちゃんと覚えられるんだって、子育ての中で感じたんです。
だから私は必要な時は「諭す」のではなく、あえて「叱る」ということを意識してやるようになりました。
それに、「叱る」って結構難しくないですか?
叱らない育児と言う言葉が独り歩きしすぎて、「叱ってるママ=悪いママ」みたいなイメージも少しついてしまったし、人前で子どもを叱りづらくなってしまったような気がします。
頭ごなしに怒鳴るのはもちろん良くないとは思いますが、「愛情を持って叱る」ことはすっごく重要なんじゃないのかな?
”興味があることは何でもやってOK!”
というのではなく、
「良いこと・悪いこと」のルールを理解したうえで、思い切り遊んだり、興味のあることを追及したりしてほしいから、子どものことを考えて「あえて叱る」んです。
だって、本当は、「叱らない」ことの方が楽ですもん。
叱ったら絶対子どもの機嫌は悪くなるし、
公共の場で泣かれるかもしれないし、
泣かれたら相手するのも大変だし、
そうなるのが分かっていながら「叱る」って勇気がいることでもあるんです。
「叱らない育児」をやっていた頃の私は、今思えば楽な道を選択していたのかもしれません。
泣かれない方が楽だし、
叱るより機嫌取りしてた方がストレスも少なくて楽だし。
でも今は、子どものことを信じて「愛情を持って叱り」、「愛情を持って褒めてあげる」ことをしているので、
叱らない育児を実践している頃よりも人間らしくなったし、メリハリも出たし、
子どもも、真剣に向き合ってくれてることが分かるのか、嬉しそうです。
「叱らない育児」のその後が怖い
ちょうどこの前の週末のことです。
お台場にある公園に、娘を連れて遊びに行きました。
かなり小さい幼児向けの遊具が沢山あって、3歳・4歳くらいの子たちがメーンで大勢遊んでいました。
ママたちは、近所に住んでいるのでしょうか。
みんな軽い荷物に、お金持ちそうな服装です。
滑り台が大好きな娘。
ちゃんと階段を使って、上にのぼっていきました。
でも、滑り台の上に着くと、ちょっと大きいお兄ちゃんやお姉ちゃんたちが、滑り台を下からのぼったり立ったりしていました。
これじゃ滑れないじゃん…
モヤモヤして、その子たちのママを見たのですが、誰も叱らない。
「おりて~」と優しい口調でママたちが言うのですが、誰も聞く耳持ってません。
やりたい放題です。
他にも、ストライダーでものすごい勢いで突進してきた子がいたり。
ブランコ乗りたくて待っていても、誰も譲ってくれなかったり。
「危ないことはダメ。みんなで遊ぶにはルールがある。ちゃんと叱ってよ!!!」
とママたちを叱りたくなった私でしたが、
ママたちを叱っても、何様?という感じなので、
子ども達を強めな口調で諭しながら、うちの娘も遊ばせてもらいました。
1歳の子が出来るのだから、3歳の子でも出来るはず。
良いこと悪いことの区別は、ちゃんと親が示してあげて欲しい。
諭して伝わらなければ、多少強く出て欲しい。
じゃないと子ども達は分からない。
もっとちゃんと叱ってあげようよ。
この子たちの将来は大丈夫?!
そう感じた週末でした。
みなさんは、「叱らない育児」についてどう思いますか?
もしかしたら私の解釈が少し極端なのかもしれませんが、やはり「叱ってあげる」ことって大事なんじゃないかなーって。
子どもが1歳でも2歳でも3歳でも、「叱るべき」ところは「叱ってあげる」ことも、子どもに対する愛情の一部かな、と思います。